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蟲戦争 ハチ篇(5/3)

 今日はいろいろあって疲れたので、本当なら今すぐ寝たいんですが、今日の出来事を書いてから寝ようと思います。長くなると思うので、面倒ならすぐに飛ばしちゃってください。
 出来事は今日の午後7時にさかのぼります。僕は今日友達のGと一緒にウイスキーを飲みながら話をしていました。そんなのは僕にとっては珍しいんですが、今日は彼が夜に仕事があるので、僕の家でちょっといっぱい引っ掛けていたわけです。この時点で大分日本の感覚とは違うかもですが。
 そんなこんなで話が盛り上がってきたのですが、そこに近所に住んでいるカーペンターのRが登場しました。なんでも今日は計画停電が7時からあるので、病院の発電機を回しに来たとのこと。ちょうどいいタイミングだったので、そこで1つ彼に仕事を頼んだんです。それは、
「俺の家のハチを退治してくれ」
というものです。そう、前にも書いたんですが、僕の家には蜂の巣があります。それも毎日ぶんぶん飛んでいるので、洗濯機を回すときなんかは結構恐怖だったりします。
 以前から彼のボスにも話していた仕事だったので、Rはすぐに承諾。すぐに仕事にとりかかりました(ビール1缶と交換条件ですが)。Gは夜の見回りに出発。
 補足ですが、日本ならハチを退治するときは業者に頼んだり、ハチに刺されない防護服みたいなものを着て作業をすると思いますが、PNGにはそんなものもちろんありません。いろんな人に聞いてみたんですが、「夜にココナッツの葉を燃やして退治するんだ!」とみんな声を揃えて言うので、今回もそれを踏襲してやることにしました。
 バトル開始。
 Rがどこからかココナッツの葉を持ってきてマッチで火をつけます。ココナッツは燃えやすいので、すぐに火がつき、Rはそれを松明のごとく照らしながら蜂の巣へ向かっていきます(僕は遠くからライトで照らしていました)
 最初は煙で燻すのかなと思っていたんですが、Rがそんなことをするはずもありません。直接蜂の巣(補足すると家の床裏に巣食っています)に火をかざしはじめました。
 突然の奇襲に驚いたハチは、次々と焼かれて倒れていきます。ハッハッハこいつは愉快と悪役風にほくそ笑んでいたのですが、その時突然電気が消えました。
 そう、停電です。きっと発電機の調子がわるいんでしょう。Rは本来の仕事にとりかかりに発電機に向けて走って行きました。
 大変だなぁなんて人事に思っていたのですが、その時突然
「Fire(火事だ)!!」の叫び声が聞こえました。停電、断水は慣れっこですが、火事は初めてです。
 周りにいた人たちが、次々に「逃げろ!!」と言っています。僕には炎がどこにあるのかよくわからなかったんですが、すぐに逃げないで、財布は持っているからパソコンを持っていかなきゃと、寿命を縮める行為をしてから、逃亡を開始しました。
 家に鍵をかけ、階段を駆け下りて、フェンスを抜けて、さぁ逃げよう!と思っていると、なんだか変です。ごやごや何人かが僕の家の周りに集まって来ていて、僕の家の中を覗き込んでいます。
 もちろんそこにあるのは、ハチを退治するのに使っていたココナッツの葉・・
 もしかしてこれが火事・・?
 なんだか心配性の人が僕達の行為を火事だと勘違いして、叫んでしまったようです。電気も回復したのでRも戻ってきました。
 「Nau Mi kuking bi tasol!(俺はただハチを退治しているだけだよ)」と説明してやれやれと肩の力を抜いていたのですが、そんな時になんだか赤くて大きい車が、正面玄関から僕の家に向かってくるではありませんか。
「えっ・・なぜに消防車。」頭にはてなマークが付いていると、消防車から一人の男が降りてきます。
 するとものすごい剣幕(暗くてあんまりよくみえませんが)で怒鳴り散らしてきます。
「Why you make fire your house!!(なんでお前は家に火をつけようとしているんだ!!)」
 僕はカーペンターに蜂の巣を退治することを依頼して、それで火を使っていたことを説明しました。でも、「カーペンターは誰だ!?」とか、「こんな方法は二度とやるな!!」とか一切聞く耳を持ってくれません。
きっと僕の英語の能力が低いのも一因でしょう。でも一応彼が何を言っているのかは聞き取れているし、僕も一応答えているつもりです。それでも、聞く耳を持たずにただ怒鳴り散らすのは態度としてどうなんでしょうか。
僕は元々短気な方ですが、気が小さいのもあり、あんまり人前で怒鳴ったりすることはないし、好きじゃありません。でも今日は久しぶりにイライラして、後半はずいぶん怒鳴り散らしてしまいました(日本語で)。
そんなこんなでしばらくしたら消防車は去って行きました。僕はずいぶんイライラしていたので鼻息が荒かったと思いますが、それを見送っていると、帰ってきていたRがおもむろに立ち上がり、「Mi go bek! Yumi wok hat tasol!(じゃあ俺帰るわ!俺達は仕事をただやっていただけだよな!)」と語り、ビールを片手に去って行きました。
その後病院のスタッフやらセキュリティーやらGやらいろんな人達が僕の家を訪れたのですが、なんでも明日僕とG(彼のポストは結構上位です)は明日インシデントレポートを書かないとダメらしいです。あとよく聞き取れなかったんですが、もしかすると消防まで行かないとだめかも。
振り返ってみると、僕とRは今日蜂の巣を退治することをセキュリティーには言っていなかったし、きっとそれは僕の責任になるんでしょう。
でもお願いです。少しだけ聞いてください。ココナッツの葉を使って蜂の巣を退治する方法はみんなに確認した上でやったんです。Rのボスの確認も取ったし、一応その日の責任者だったGにも声をかけたし、炎だってそんなに大きくなかった。
それでも俺が悪いんでしょうか・・。
今日はひどく疲れたので、子守唄なんかなくても熟睡できそうです。
Lukim yu gen
 
ていうか、お前はなぜ何も説明しない・・R。お前は英語しゃべれるだろ・・




ここに奴らの巣がありました。怒りに任せて一気に書いたので、今までで最長の文章になっています。
読みにくくてすみません。
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イトウくん

Author:イトウくん
青年海外協力隊で、パプアニューギニアに派遣中のイトウです。
たまにぼちぼち更新してます。自他共に認める筆不精ですが、好意的なコメントは常時募集中。また、厳しいご指摘も、テレパシーで受け付けております。

 
 
 
 
 
 

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